森ビルとヤマハ発動機株式会社は、デジタルツイン上に再現した都市空間を活用し、電気の力で人を助ける次世代モビリティの可能性を探る共創プロジェクトに取り組みました。本取り組みでは、ワークショップの実施からPoC(走行実証)、インキュベーションセンター「ARCH」(※)での成果発表までを一連の流れとして行いました。

森ビルでは、開発プロジェクト初期の建築ボリューム検討から、竣工直前の建築仕上げ、館内サインや広告掲示の検討に至るまで、デジタルツインを用いた景観シミュレーションを幅広く実施してきました。一方で、プロジェクト竣工後はデジタルツインの利用機会が減少し、竣工後の新たな活用方法が課題となっていました。

ヤマハ発動機が展開する「Town eMotion 未来のまちとモビリティ」は、単なる移動手段としてのモビリティにとどまらず、まちづくりや人々のWell-beingに貢献することを目指した研究開発・社会共創プロジェクトに取り組んでいます。

両社が新たな展開を模索するなか、デジタルツイン上のまちを実証フィールドとし、次世代モビリティの可能性を検証する取り組みが有効ではないかという背景のもと、ワークショップの開催に至りました。今回のワークショップでは、森ビルのエリア開発担当部署とイベント運営担当部署が参加し、デジタルツイン上の虎ノ門ヒルズエリアを舞台に、次世代モビリティの具体的な活用方法を検討しました。

そのなかで、イベント開催時に日々発生する資材運搬の負担が課題として挙がり、電動台車による運搬が実現すれば大幅な省力化につながるという意見が多く出されました。そこで、デジタルツイン上で電動台車を用いてイベント準備・撤収を行うイメージ動画を制作しました。

これらを踏まえ、港区新虎通りで実際のイベント時に街中でPoC(走行実証)を実施。資材保管場所からイベント会場まで電動台車で運搬し、その有用性を確認するとともに、段差など実空間ならではの課題も発見することができました。さらに、本取り組みの成果を「ARCH」で発表し、今後の共創に向けた仲間づくりへと繋がる発信を目指しました。

※ARCH:⼤企業の事業改⾰や新規事業創出をミッションとする組織が会員となり、豊富なリソースやネットワークを持つ⼤企業ならではの資源を活⽤しながら、他企業とも共創し事業創出を⽬指し活動するイノベーション拠点。