浜松市では、首都圏企業などの連携によるイノベーション拠点形成事業を通じて、社会課題などをテーマとする新たなビジネス創出を目指しています。本事業では、首都圏に集積する大企業やスタートアップと浜松市内企業が連携し、浜松市内のイノベーション拠点を結び地域資源やものづくり技術を活用した取り組みを推進しました。その取り組みの一環として、浜松市が主催するモビリティ分野の実証実験を、森ビルが市の委託を受けて実施しました。

地域課題把握のための事前調査で、行政や地域住民へのヒアリングを実施したところ、「交通」や「物流」など人や物の移動に関する課題が多く抽出されました。特に高齢化が進む地域においては、高齢者の移動手段の確保や行動範囲の拡大が重要な課題であることから、高齢者モビリティ(スズキ株式会社のセニアカー)と天竜浜名湖鉄道(通称「天浜線」)を組み合わせた乗車実証を企画・実施しました。実証では、セニアカーの鉄道車両への乗車を行い、現状把握と課題抽出を行うとともに、その様子を撮影・編集し、動画コンテンツとして情報発信、認知度向上を図りました。

実証の結果、セニアカー走行における駅ホームや車両内の構造的な課題や、人員的サポートの必要性などの課題が明らかになる一方、セニアカーに乗車したまま沿線の景観を楽しめる体験価値の高さも確認されました。これらの結果を踏まえ、インキュベーションセンター「ARCH」(※)においてトークイベントを開催し、実証で得られた知見や課題を首都圏企業と共有するとともに、今後の事業化や参画に向けた意見交換を行いました。

両社が新たな展開を模索するなか、デジタルツイン上のまちを実証フィールドとし、次世代モビリティの可能性を検証する取り組みが有効ではないかという背景のもと、ワークショップの開催に至りました。今回のワークショップでは、森ビルのエリア開発担当部署とイベント運営担当部署が参加し、デジタルツイン上の虎ノ門ヒルズエリアを舞台に、次世代モビリティの具体的な活用方法を検討しました。

※ARCH:⼤企業の事業改⾰や新規事業創出をミッションとする組織が会員となり、豊富なリソースやネットワークを持つ⼤企業ならではの資源を活⽤しながら、他企業とも共創し事業創出を⽬指し活動するイノベーション拠点。